近藤さんち

　
「これ、全部捨てちゃうんですか？」
「勿体ないけどなあ、移転先にもう新しいのが用意してあるからな。この機会に過剰発注してたものとか、使ってないこまごましたものも処分しろとか言ってるから、欲しいものあったら持ってけ」
「じゃあ、このノート頂いていいですか？」
「こっちのロムも良いのかな」
「持ってけ持ってけ、どうせ捨てちまうんだから」
「んじゃ俺、この冷蔵庫を……」
「何言ってんだお前。それはあっちでも使うっつーの」
「やっぱだめッスか？へへへ」
「つーかお前んち置く場所ねーじゃん」



「あ、近藤さん！それも纏めて処分の方出しておきますよ」
「いや、頂いて行こうかと思って」
「……それをですか？だいぶ使い古しちゃってますけど」
「静かな暇つぶしには丁度良いんじゃないかな」
「はあ」